私は子どもに【思考の深読み、先読み】をしていました。
それは、子どもの話しを聴く前に自分の考え、思い込みを前提に話しをしていたことです。
その原因は、
私は、幼い頃から親に対して
「今は機嫌が悪いな、後で話した方がいいな」
「お母さんは、どうして悩んでいるんだろう?」
と、それを解決しなければ平穏に過ごせない‥など。
【思考の深読み、先読み】をする癖が身についていました。
なぜなら、そうしなければ怒られたり、自分が辛い思いをするからです。
子どもながらに身に付いた戦略でした。
それが、次の世代の子どもに影響を与えてしまったのです。
それでは、どういう【思考の深読み、先読み】が子どもに影響を与えていたのでしょうか?
例えば、私が子どもの頃は、
母親は立ち上がるのに辛そうにしていました。
私 「腰が痛いの?」
母親 「腰は痛くないよ」
私 次の日「友達に聞いたけど、それにはあそこの病院がいいって聞いたよ」
母親は、いやそうな感じで話しを聞いてくれませんでした。
別に病院を探して欲しいとは言ってはいなかったのです。
そして、私は子どもにも、
息子 「コートが欲しいな」
私 「もう、12月だし、このウール100%の暖かいコートがいいんじゃない」
息子 「いや、違うんだよね」
私 「じゃあ、ダウンコートがいいんじゃない」
息子 「今持っているものみたいなのがいい」
私 「それは秋物でしょ」
息子 「やっぱり要らない!買わなくていいよ!」
と、話しは終わってしまいました。
息子はコートとだけ言っているのに、なぜか、私はコート=冬物ととっていますね。
息子は、一言もウール100%のコート、冬物が欲しいとは言ってはいませんでした。
私は、子どもが言ってもいないことを勝手に、
「寒いんだから暖かいコートが必要に違いない」
と、【思考の深読み、先読み】をして、会話を展開していたのです。
息子には自分の考えがあり、好きなコートのイメージがあったのです。
それなのに、私は厚手で風を通さない物と、自分の考えが口から出ていました。
私は、息子の言葉を受け取ることができず、先走って会話を進めていました。
なので、私の思いと、息子の思いではズレが生じていたのです。
だから、息子は会話も、コートが欲しいという意欲もなくして諦めてしまったのです。
こういった、【思考の深読み、先読み】をなくすには、
相手が言ったことを、
息子 「コートが欲しいな」
私 「それってどういうもの?」
と、そのまま聞き返すと初めて子どもに寄り添った会話で共感ができるようになります。
実際に、私が息子に寄り添った会話で共感ができるようになると、わかってもらえてると安心したようで、笑顔が増えて、外出も出来るようになりました。
今でも、何か悩んだり、つまずいて前に進めなくなった時でも、私の【思考の深読み、先読み】をせずに子どもの言葉をそのまま聞き返すようにすると、意欲がわいてきて、また動き出せるようになっています。
お子様から、
「お母さん、僕はそんなこと言っていないよ」
「お父さんのメールは会話になっていないんだよ」
と、言われてはいないでしょうか?
子どもの思考を読み取り、何とか今の状況を改善しよう、子どもの気持ちを満足させよう、子どもを安心させよう、
と、【思考の深読み、先読み】が無意識に出てはいませんか?
それをそのままにすると、子どもは会話をすることを諦めて部屋にひきこもってしまいます。
「どうせ、言っても無駄だ」
となるのです。また、それが何度も続くと、
「もう、いいよ!」
と、関わることをやめてしまいます。
そうならないためにも、こどもが望んでいないことを、望んでいると勘違いをしているということに気付いてくださいね。