それから、私たち家族に転機が訪れました。
「メンタルケアとの出会い」です。
私たちは家族の負のスパイラルから抜け出すことができたのです。
そこで、教えていただいたことは、
「家族の世代間連鎖を断ち切ればいいんですよ!」
「縁を切るということではないですよ」
「昼夜逆転は無理をして直さなくてもいいですよ、そのうち直りますから、大丈夫ですよ」
でした。
私は、ホッとして安心しました。
なぜなら、今まで周りから、
「甘やかすからいけないんだ!」
「放っておけばいいんだ!」
「お母さんがいつも一緒にいるからよくないんじゃない」
「優しすぎるから悪い」
と、厳しい批評を受けていたからです。
良くないと思いながら子どもと接していたので会話も少なくなっていました。
子どもは、自分のことを理解してもらえない気持ちでいっぱいだったと思います。
また、私にも家族の世代間連鎖が受け継がれていて、その時は、まだ気づいていませんでした。
私は、メンタルケアで学んだことを実践しました。
すると、息子は一か月もしないうちに自分から「駅前に行って来るよ~」と言って出かけるようになったのです。
それから、二ヶ月も過ぎた頃にはバイクの免許を取りたいと言ってきました。
息子は、
「自分なりに、これからのことをちゃんと考えてるんだよ」
「一か八か挑戦してみたいんだ!」
と言っていました。
「このままではいけない‥」
「免許を取ることをキッカケに新しい自分に変わろう!」
「変われるかどうか試してみたいんだ!」
と、思っていたそうです。
その時は、息子が将来のことを前向きに真剣に考えていたなんて思ってもいませんでした。
私は本当に驚きました。
あんなに、「だるい~、何もしたくない~」と言って部屋に引きこもっていたのに、
自分でバスの予約をしたり、学科や講習を受けたり、不登校になって以来初めての集団生活ができ、
息子はバイクの免許を取ることができました。
普通に学校に行っていた頃のことを思うと、「こんなこと当たり前にできるよね」と思うかもしれません。
ですが、不登校になり学校生活を送れなくなった子どもにとっては、すごい成長なのです。
お子様が、自ら取り組もうとした時は一緒にやっている感じで楽しさを共有してください。
そして、たくさん褒めてあげてください。
すると、
「そこにいるだけでいい」
「これは自分の能力、才能、自分は自分でいていい」
と本来持っている力を発揮できるようになります。